皆さん、ごきげんよう。「大久保元永経営観」というシリーズで重ねていくコラムです。経営コンサルタントとして20年、これまで多くの経営者様の抱える重圧に寄り添ってきました。今回は、経営の重圧やプレッシャーに打ちのめされそうになってしまった方に、自分を取り戻し前進できるきっかけになることを願い、文章を綴りました。
経営者の見えない悩み
日々さまざまな課題や問題と向き合う経営者は、企業規模の大きさに関係なく絶えず目に見えない重圧を抱えていると思います。なかでも資金繰りや人材は売上や利益と直結する課題や問題であるため、より大きな重圧になっていることが多いように思えます。資金繰りや人材の問題は、相談しにくいことが多く、経営者が一人で抱え込んでしまうケースが多いです。経営者の孤独な戦いの代表例の所以でもあると思います。
そのうえ、経営者は公私の境い目が極めて薄く、24時間365日体制で仕事と向き合っていると言っても過言ではありません。そのため重圧(ストレス)からくる疲労感も非常に大きく、心のゆとりを失っていくことも珍しくありません。
またストレスと同様に、経営者にはプレッシャーも常に付きまといます。これは経営者として一定以上のパフォーマンスを求められる所以です。そのため気苦労や心労も絶えない事が多いと思います。
こころの解放|自分を取り戻す
確かに、経営者としての重圧やプレッシャーは大きな負担と言えますが、逆にそれを【選択できる自由】も持ち合わせていることを忘れるべきではないと思います。例えば、経営者は雇用されているわけではありません。故に、出勤という概念は必要ないと思います。24時間体制に変わりはなくても、その時間は誰に拘束されているわけでもなく、自分自身で時間の割り振りができます。一度っきりの時間を振り分けていく上で大きな力になってくれると思いませんか。
経営者には【時間の使い方】を選択できる自由があります。
時間の使い方が自由であるということはすごく大きいと思います。仕事をする時間は早朝でもいいし夜中でもいいわけです。朝型・夜型、自分自身にあった時間の使い方をすればよいのです。その時間を利用して、ご自身のストレス状態をチェックする時間に割くのもお勧めです。過度な重圧やプレッシャーがかかる分、適切な自己管理を行うのも経営者として重要なことだと思います。
同時に、ご自分で心のリフレッシュができる環境をもつのも一つだと思います。趣味の時間を持たれても良いでしょうし,自然のなかに身を置いてみるのも良いと思います。要は気負わない事が大切です。気負うというのは、やらなくてはならないと思い込むことです。この世の中に、やらなくてはならないことは何一つありません。あるのは自分自身でやると決めたことだけです。
様々なしがらみや人間関係もあると思います。環境が許さないことも多々あるとも思いますが、決して気負ってはいけません。やるぞという気概で取り組めることに心血を注いで下さい。
幸いにして社会は、多様性(ダイバーシティー)を受け容れる潮流にあります。個性を少々強く出してもそれほど大きな問題にはならないと思います。大切なのは、自身のストレスやプレッシャーから解放される方法を知っておくことです。
経営の喜び|新たな視点で仕事向き合う
これまで経営者のネガティブな部分を主に代弁してみました。正直、経営者という職業は苦しみ以上の喜びや、やりがいを味わえる職業でもあると言えます。一番の喜びややりがいは目標を達成したときのものではないでしょうか。この喜びは従業員とは一味違った感慨あるものだと思います。
スモールステップがおすすめ
そこで、その喜び・やりがいを感じるために最小の・最低の目標を設定するのです。小さな・僅かな目標が良いのです。半日・一日で成果を出せるもので構いません。重要なことは一つ・一回のことではなく、継続していくことです。積み重ねることが大きなうねりを起こし、思いもよらない成果をたぐり寄せてくるものです。
小さな目標達成であっても、その達成は従業員含めて分かち合える感覚です。この感覚は当事者同士だからこそわかちあえるものです。その感覚を継続させることによって思考が前向き・ポジティブに変わってきます。このポジティブ思考で何事も取り組めば、課題や問題も解消されてくるはずです。そうなると仕事が楽しくなってきます。仕事が楽しくなると日々の生活も楽しくなってくるものです。このような正の連鎖を生むシステムを経営者は何よりも早く気づき、構築するべきだと考えます。
自分らしい経営を
経営者自身が楽しんで仕事をしていれば、従業員の不満や愚痴も解消し、全員一丸となって仕事に向き合う環境が育まれます。もちろん心の充実やゆとりも生まれてきます。経営者の心の安定にも繋がってきます。
心自体は目に見えるものではありませんが、心がすさむことによって様々なところに影響が出てきます。それほどに心の持ちようは大事なのです。常に心をあらさず安定にすることが経営の安定と成長に寄与します。なにより自分らしい経営になってくると思います。
ぜひ、ご自身の心の安定をはかってみて下さい。よりよい経営環境に繋がっていくことを願っています。
大久保事務所では、経営者の心の処方箋としてコーチングやメンタルカウンセリング、差し迫った目先の経営問題解決カウンセリングなど経営者の背中に手を差し伸べるサービスを行っております。ご自身だけで解決できないと思われた場合は、ご遠慮なくご相談ください。
相談する勇気で課題や問題は、解決の方向へ歩みだします。