大変な時期、厳しい状況にあることをお察しします。その上で、専門家の皆さんも事業であることを理解しなくてはいけません。事業、つまり利益を求めるということです。そうなると、やはり得意な手法をどうしても勧めてしまう傾向になるのは何となくご理解いただけるのではないかと思います。ですから、悪気があるのではなく、自身の取り組みやすい支援内容をご提案してしまうケースが多いということです。

では、大久保事務所はそれとは異なるのか。はい、異なります。

その理由は、大久保事務所では、ご相談者の意見や意向が主役であると考えているからです。つまり、大久保事務所ができることを売っているのではなく、ご相談者の状況や環境のなかにある課題や問題点の発見とその解決策をご提案し、ご支援させていただくという対応です。その為、ご相談者さまご自身の意見や意向がないと大久保事務所では事案としてお引き受けいたしません。

誰に伝えても伝わらないご自身の胸の内を安心してお聞かせ下さい。ご相談いただくことでご意向の５０％は解決されています。

従業員さまのことを大切に思われ、お考えになられていることが伝わってきます。まず、大切なことは日頃からのディスカッションをおろそかにしないということです。会社の社員みなさん全員が従業員ですが、これをひとくくりにしてしまってはいけません。お一人お一人、個性があり得手不得手があります。同じところは一つしてありません。従業員皆さん異なった性格や思考を持たれています。ここを理解せずに、接するために問題が生じます。

そこで、接し方を誤らない為に日頃の対面でのディスカッションがとても重要になってきます。今日、デジタル技術の進化・発展によって、なかば効率化の波に飲み込まれる状態と言えます。確かに利便性だけを考え、対人的な関係の重要性を視野に入れなければデジタル技術に勝るものはないでしょう。しかし一方で、我々は自然界に人として生命をいただいています。生命や自然というのはゼロイチでは割り切れないものです。生活形態に溶け込んだデジタル社会の中にいるからこそ対面でのディスカッションは欠かせません。充分なディスカッションの上に成り立っている人間関係にはハラスメントは起こりにくいものです。友達同士での会話を頭に浮かべていただければご理解いただき易いのではないかと思います。もちろん、それだけで組織として企業として生き残れるかと訊ねられれば難しいところもあります。しかし、少なくともろくなディスカッションも取らずにデジタル技術に頼るだけでは関係性の向上や維持は努められません。

マネジメント技術は大変難しいものですが、まずは朝の挨拶やその日の出来事などの報告をデジタルだけに頼らず、対面での時間を取り入れるのも一つの工夫になると思います。ぜひ、取り組んでみて下さい。